ILIADS

オリジナルストーリー『EULYSSES』に至るまでの、我々の世界との分岐を描いた前哨的物語『ILIADS』の作品解説。

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ディーヴァダッタ

英語表記　Devadatta
日本語表記　提婆達多

　釈迦の高弟の一人であったが、釈迦とは(一般的に教団の運営方針をめぐり)対立が生じたため離反した人物として有名。

　釈迦に心酔するが故に、釈迦を神格化しようとした。これを釈迦は否定したが、彼の考え方は変わらなかった。
　釈迦が自己を含め一切の平等を説いたが、ディーヴァダッタは「師は至高の霊であり、我々凡夫が師の悟りを得るには、師よりも厳しい戒律の中で見出すことしかできない」として、苦行ではないが、大変厳しい戒律を提案したりした。

　釈迦の教えを西方に伝えるため独断で教団を離れたが、その際、釈迦から「私を神格化しないこと」を条件に出された。彼はこの釈迦との約束は守るとしながらも、「だが師よ、貴方は永遠となるだろう」という、釈迦にとっては呪いにも等しい言葉を残して去った。

　釈迦のみ崇拝し、自身を未熟としながらも、兄弟弟子たちを軽蔑していた。自分を非難する兄弟弟子たちに対し「そのうち、お前たちとて師を神格化せずにはいられなくなるだろう、私よりももっと低俗な形で」と見下していた。

　少数派とは言え、相当数彼と同調する僧がおり、ディーヴァ派と目される教派はインドに4世紀にも存続していた。厳しい戒律に加え、釈迦が約束させた通り、ブッダは釈迦を除く6人のみとしているなど、ディーヴァがいかに釈迦の教えに忠実であったかを物語っている。

　ただし、西へ向かった彼の足取りは前4世紀以降不明。

　釈迦を「スガタ」と呼んでいた。